近年、タイでもインターネット利用者が急増している。国家情報技術委員会(NITC)が2001年に行った調査によると、無作為抽出調査を通じて、インターネットを利用したことのある者は5.6%(全人口に当てはめると354万人)に上った。
1992年当時NITCが行った調査では1.6%にすぎなかったことを考えると、急激な増加と言えるだろう。ただし、このインターネット利用者の70%がバンコク居住者で、しかも69%は10〜20代ということから、まだ都市と農村とのインフラ普及率格差や利用者の年齢格差は大きい。
こうした急激な普及を受け、特にバンコクを中心にISDNやADSLなどブロードバンドの波が生まれている。
タイにおける電話会社は2社。電話公団(TOT)と民間のテレコムアジア(TA)だ。TAの誕生のお陰で競争が生まれ、通信サービスは昔に比べかなり改善している。ただ、ブロードバンド競争はまだ始まったばかり。長い目で定着を待つ必要がありそうだ。
以下は2002年3月の現状だ。利用を考えている方には最新情報を確認してもらいたい。
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ISDNサービス
ブロードバンド・サービスに関し、両社ともISDNサービスを行っている。
TOTの方が進んでいる模様で、同電話線を使っている地域なら、バンコクのみならず主要都市でも利用可能だ。TAではたとえ同社の電話線を使っていても都心の一部地域に限られている上、2002年3月現在には法人向けサービスしか行っていない。マンションに供えつきの電話がどちらの会社の物かで当該社のISDNサービスを行っているプロバイダーに加入する必要がある。
<TOTのISDNサービス:ベーシック・コース>
デポジット |
3,000バーツ |
据付費 |
TOTが実施 3,700バーツ
自身で実施 3,350バーツ |
加入費 |
月600バーツ |
サービス料金 |
1ユニット3バーツ |
<TOTのISDNサービス:プライマリー・コース>
デポジット |
90,000バーツ |
据付費 |
100,500バーツ |
加入費 |
月7,500バーツ |
サービス料金 |
1ユニット3バーツ |
<TAのISDNサービス基本料金:ベーシック・コース>
2002年3月現在、同サービスは法人向けのみ。利用できる地域も限られている。据付けてから利用開始まで5日間かかる。
据付費 |
3,000バーツ |
ハードウェア代 |
5,000バーツ |
A
ADSLサービス
ADSLについては、TOTはバンコクの一部地域と主要都市(チェンマイ、ナコーンラーチャシーマーなど6都市)でサービスを行っている。TAもバンコクの一部地域(シーロムが中心)で行っており、現在拡張を急いでいる。
<TOTのADSLサービス基本料金>
据付費:1,000バーツ
モデム維持費:月額280バーツ
〇
基本コース
スピード(ダウンロード/アップロード) |
バーツ/月
(月80時間まで) |
超過料金1時間につき |
128/64
Kbps |
500 |
10 |
256/128
Kbps |
700 |
13 |
512/256
Kbps |
900 |
17 |
1Mbps./256
Kbps |
1,200 |
23 |
2Mbps/256
Kbps |
1,600 |
30 |
〇 無制限コース
スピード(ダウン/アップロード) |
バーツ/月 |
128/128kbps |
4,300 |
256/256kbps |
5,900 |
512/512kbps |
8,100 |
1Mbps/512kbps |
9,300 |
2Mbps/512kbps |
10,600 |
<TAのADSLサービス基本料金:TA Express>
個人でも法人でも利用できる。据付け後利用開始まで7〜15日かかる。
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128/64 kbps |
256/128 kbps |
サービス代 |
1,000バーツ |
1,400バーツ |
月額 |
2,000バーツ |
2,000バーツ |
合計 |
3,000バーツ |
3,400バーツ |
なお、同サービス利用のためには、別途プロバイダーに接続料金を支払う必要がある。
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日本のプロバイダー
タイには大小あわせて20近くのプロバイダーがある。価格は日本に比べて高めで、これまでは定額で無制限に利用できるパッケージはなかった。しかし、各社が競争しあって安値合戦を繰り広げており、実際、一部プロバイダーで試験的に、一定条件下で定額無制限のサービスを開始した。定額無制限利用が可能になる日は近いだろう。
また、タイの市内電話は時間に関係なく1回3バーツであるため、電話料金が大きな負担にならない点は特筆に値する。
一番安い方法として挙げられるのは、無制限で利用でき海外ローミング・サービスを無料で行っている日本のプロバイダーに入り、タイの電話を利用する方法である。このようなプロバイダーが1社ある。ソネットだ。
料金の支払いのため日本に銀行口座を持ち、引き落としをすることになるが、これさえクリアできれば、一番お得なサービスである。
http://www.so-net.ne.jp/
A タイのプロバイダー
短期滞在なら上記プロバイダーで事足りるだろうが、長期に滞在する場合は、タイでプロバイダーに入りなおした方が、調子が悪い時の対応なども考えて安心だろう。
下記に日本語の通じる日系のプロバイダーとタイ大手のプロバイダーを中心にご紹介したい。
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