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会社設立後、または工場建設開始後、職員を採用し日本へ研修に行かせたいとする。
申請経験のある方なら ご存知だと思うが、これが結構大変だ。
難関は日本の法務省入国管理局・支局からの「在留資格認定証明書」の獲得だ。
時間がかかることも多いので、早め早めに準備したい。
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(1)タイ人職員の日本派遣までの手順 |
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まず、日本の法務省入国管理局・支局で「在留資格認定証明書」の申請を行い、交付を受けた上で、この証明書を持って在タイ日本大使館に必要書類と共に提出する。
日本での会社 −−−−−→ 相談・申請 −−−−−→ 各地方入国管理局
| ↑ ↓
−−→ 許可、不許可の判断を通知(約4週間くらい) −−−−−
送付
↓ タイでの会社 −−−−−→ 申請 −−−−−→ 在タイ日本国大使館
↑ ↓
−−−→ 翌々業務日交付(問題がなければ)
−−−−−−
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(2)入国管理局での必要書類 |
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「在留資格認定証明書」の交付を受けるためには、日本の各地方入国管理局に申請することになる。必要書類は、入管の方針、及び各社の規模、派遣実績によって異なる。入管に事前に問い合わせてほしい。
以下は一例である。 |
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1.
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申請書
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2. |
写真2枚(4cm×3cm) |
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3. |
研修計画(招聘理由書、研修実施予定表、研修生概要書) |
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4. |
帰国後本邦において研修した技術技能及び知識を要する業務に従事することを証する文書
(派遣先機関での本人の地位、職種の記載ある復職予定証明書、派遣先機関作成の帰国後の地位職種の記載のある研修生派遣状) |
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5. |
派遣機関の概要を明らかにする資料(派遣機関の案内書または登記謄本)、実務研修を含む場合は次の何れかの文書 |
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@ |
派遣機関の受け入れ企業が合弁または現地法人である場合、設立に関する公的機関の承認書の写し、または出資率、
出資額が明記された大蔵大臣あて対外直接投資にかかわる外貨証券取得に関する届書の写し。 |
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A |
派遣機関と受け入れ機関との関係が取引である場合には信用状および積荷証券(航空荷物信用状を含む)の写し |
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6. |
受け入れ機関の商業法人の登記簿謄本等および研修生名簿
(法人の謄本登記簿、または案内書、 受け入れ機関の概要書、研修生の国籍、生年月日等を記載した名簿) |
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(3)在タイ日本大使館への提出書類
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上記「在留資格認定証明書」の交付を受けた後、日本大使館に以下の書類を提出する。基本的には査証申請後、翌々業務日に発行することになってはいるが、個別の案件によって、その他参考になるべき資料の提出を求められること。
面接や日本外務省への照会等が必要になることもあり、日数に余裕を もって申請することが望ましい。
査証有効期限が3ヵ月なので、3ヵ月前に手続きを開始するのが安心だ。 |
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1 |
旅券(6ヵ月以上有効期限が残っており、かつ査証欄の余白が2ページ以上あるもの。
旧旅券を保有している場合、旧旅券も併せて提出) |
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2 |
査証申請書(大使館備付けのもの、または同館ホームページよりプリントアウトしたもの) |
1部 |
3 |
写真(申請前6ヵ月以内に撮影された4.5cm×4.5cm、デジタルカメラ撮影は不可) |
1枚 |
4 |
在留資格認定証明書 |
原本・写し各1部 |
5 |
住居登録 |
原本・写し各1部 |
6 |
初めての渡航で改姓、改名歴のある人、または前回の渡航後、改姓・改名をされた人は、
改姓・改名を証明する書類(改姓・改名証明書、婚姻、離婚証明書等) |
原本・写し各1部 |
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(4)労働福祉省への提出書類 |
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日本へ研修生を派遣する場合、タイ国の労働福祉省の許可を要する。出発日の15日前までに申請する必要
がある。問題がない限り、申請から許可までは2日しかかからない。 |
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1. 登記簿謄本(タビアンバーン) |
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2. 雇用契約書(当局に様式あり) |
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3. 両会社間の雇い入れ契約書または両会社間でやりとりした書簡のコピー |
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4. 住所登録書とIDカードのコピー |
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5. パスポートのコピー |
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(5)AOTSの研修 |
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外国人の日本での研修を事業として行っている組織もあるので紹介したい。
(財)海外技術者研修協会 (AOTS:The
Association for Overseas Technical Scholarship)だ。
同協会は、1959年に通商産業省 (現在は経済産業省)を主務官庁とし、日本における初めての民間ベース技術協会機関として設立された。これまで開発途上国の人材育成のため活動を続けてきた。
この組織を利用するメリットは、何よりも日本への入国手続きが簡便になることだ。
特に、入国管理局からの「在留資格認定証明書」は、長く待たされた上、結局下りなかった、などということも多発している。
しかしAOTSを通せば約1週間程度で交付されることもある。さらに、渡航費、滞在費、研修経費等の半分近くが政府補助金から拠出されるというメリットもある。主な事業は次の通りである。 |
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1. |
日本国内における主な事業は研修生受入れ事業。この研修生受入れ事業は技術の習得を目的とした
技術研修と、管理者育成を目的とした。監理研修に分けられる。この研修生受入れ事業でAOTSはこれまで世界150カ国/地域より約10万人の研修生を受け入れた。タイからはその10%を超える1万人を受け入れている。 |
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2. |
開発途上国より日本に受け入れて行う受入れ研修事業に加え、日本及び海外の企業・団体が開発途上国等に講師を派遣して実施する海外研修事業についても、その推進に努めている。 |
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