トップ 社長室 ミキちゃんのタイ四方山話 (56)

ミキちゃんの
タイ四方山話(56)

 「1年の計は元旦にあり」と言いますが、今年も、例年の如く、ビシッとした
新年ではなく、 「なんか眠たいなあー、犬のお散歩行かなきゃ」というしまりの
無い正月の朝を迎えてしまいました。

 おまけに初夢に、オゾマシーイ夢を見てしまい、「こりゃ、縁起が悪い」と、
早速、近所のお寺に、タンブンに行って来ました。
 念には念を入れて、14日の誕生日には、坊さん9人呼んで、会社も含めて
お払いする事に決めました。
 こうなったら、神頼みでも、なんでもやっちゃうぞー!
 さーて、早速ですが、タイは新年から良くないニュースが続いております。

  タイ四方山話

☆アピシット首相が政府の景気刺激策として3000億バーツの予算をあてると
発表。
 経済専門家などが2009年の経済成長率について「ゼロ成長」と予測している
件で、「新政府の経済チームがプロではないとの批判もあるが、それは間違って
いる」と反論。

 タイ経済の再生に全力を注ぐとしている首相だが、諸問題についても、
「解決に導けないような場合は、首相を辞任する覚悟もある」と述べている。
 麻生さんも、このぐらいの事を言えなくっちゃねえ。

☆タイ中央銀行副総裁が、「景気刺激策はタイムリー、ターゲット、テンポラリー
の3Tを心がけることが重要」と強調した。
  標的(ターゲット)を定め、刺激策を時機を逸することなく(タイムリー)実施する
ことが肝要。
 VATの引き下げといった思い切ったテンポラリー措置を導入することも景気の
早期回復には不可欠。
 ふーん、「VATを下げる」って、どこかの国は上げる話をしているのに。

☆タイの景気
 タイ・テキスタイル研究所によれば、今年1−10月期に、約100に及ぶ生地・
衣料品工場が閉鎖となり、そこで働いていた1万人あまりが失業した。
 工場閉鎖は世界的な不況で米国などからの注文が減少した事と、タイの政情
不安が大きな要因。
 世界的な経済危機の影響が急速に拡大している為、来年はさらに多くの工場が
閉鎖に追い込まれる。
 主要な輸出先・米国のタイ製衣料品のマーケットシェアが、2桁から3%まで
落ち込んでいる。

○新年早々の火事
 大晦日に、バンコクのクラブ(ディスコ)「サンティカ」で火災が発生し、
63人が死亡し、200人以上が負傷した。
 このクラブのあるエカマエ通りは、外国人が多く住むスクムビット地区の一角で、
裕福なタイ人の閑静な住宅街でもあり、日本でいえば東京の青山や麻布のような所。
 近辺にはタイのハイソな20、30代と外国人の多い高級ディスコクラブが多く、
サンティカはその中で最大規模のひとつ。
 週末の深夜になると広いフロアは歩けないほどの顧客で埋まる。

 火災の発生した大晦日は、普段に増して人が多く、1000人以上が入っていた
と見られている。
 会社員のスウィモンさん(28歳・女性)も女性友だちと5人で、午後10時半頃に
入場したが、すでに満員状態で1階の壁際に立ってロックバンドの演奏を観ていた。
 彼女によると、午前0時を過ぎて少ししてから、室内の上方に「ハッピーニュー
イヤー」の文字が花火で浮かびあがり、その火の粉が落ちてきた。
 すると今度は客席で、顧客グループが持参したと思われる小型の連発花火を
発射した。
 しばらくして、彼女は突然、肌に熱さを感じ、おかしいと思った。

 店内部の客が騒ぎ出し、火災という事がわかると、あっという間に出口を求めて
パニック状態になった。
 幸い、彼女の立っていた壁は大きな縦型のガラス窓になっており、それを皆で
割って外に出ることができた。
 クラブの出口や窓の付近は我先にと皆が押し合いへし合いしながら、雪崩を
打って出てきた。
 外では近所の人たちが窓を割ったり、手を貸したりして助けてくれたという。
 店内は、ほとんどがスタンディングで、どこへも歩けないほどの賑わいだった。
 タイ人は、人が集まるところが好きで、何かの催しがあると、歩けないほどの
大賑わいになる。

 最近の政治集会では、10万人近い人が集まった。
 年末のカウントダウンも大行事で、10万人単位の人出になる。
 この傾向は娯楽場でも同じで、大型ディスコ、クラブが多く、特にバンコクでは
週末になると 1000人以上が入るところも少なくない。
 週末やクリスマス、年末年始は店にとって稼ぎ時のため、店内が満員でもさら
に人を入れ、ディスコといいつつ、踊るスペースもなく、前に歩いて進むことさえ
できない状態になる。
 そこで火災が発生すれば大変なことになる。
 スプリンクラーも無く、当然、店の誘導も無かった。

 しかし、今回は店の過密度からすれば、まだ被害が少なかったほうだったといえる。
 なぜなら、1階の壁には1mほどの間隔で、横1m立て1mのガラス窓で、
割って外に出る事が出来た為だ。
 それでもフロア奥にいた人は逃げ遅れて窒息死した。出口は2mが1箇所だけ。
 トイレに入っていて気づかずに被害にあった客や店員もいた。
 近頃は、店の中で火を使ったショーを行う店もある。
 サンティカでもバーテンダーを囲む大きなカウンターに油を巻き、炎をぐるりと走らせて
 カウンターを一周させるショーや火をつけるカクテルがあった。
 過密と危険なショー。タイの娯楽施設には、大事故が起き得る危険性が十分に
あったといえる。

 合計の死者数が63人となった。
 4日午前時点で外国人18人を含む73人が入院中で、32人が集中治療室で
手当てを受けている。
 日本人も4人が負傷し、2人が重態となっている。
 火事の原因究明やクラブの所有者、経営者の取り調べは進んでいないもよう。

 タイの大型娯楽施設の多くは警察、軍の「保護下」にあるといわれ、
タイ人遺族の一部は「警察は当てにならない」として、経営責任を追及する裁判を
独自に起こす動きをみせている。

 更に、4日夜には、バンコク都内の、スアパープラザで火災が発生し、
消防車20台以上が出動した。
 建物内にいた数十人がはしご車などで救出されたが、午後11時時点で、
なお数十人が建物内に取り残されているもよう。
 死者が出たかどうかは不明。上階に避難した約50人が大型クレーン車や
ヘリコプターで救助された。
 スアパープラザは9階建てで、携帯電話販売店、男性用サウナ、貸し部屋などが入居。
 救出されたのはサウナ客が多く、半裸姿で保護された。
 1階では逃げ遅れて死亡したとみられる1人の遺体が発見された。
 負傷者は47人にのぼった。
 同ビルは、3階まで商店が入居し、4〜6階が住宅、7〜9階がサウナという。
 ご存知、ソイカウボーイでも、火災があったが、閉店後だったので、人身事故は無かった。

○タイでも、大臣の失言
 カシット外務大臣は空港占拠について、「PADがデモ参加者に無料で提供した
食事はおいしく、音楽も大変良かった」などと発言。
 欧米メディアの多くは今回の空港占拠を、外国人旅行者数十万人を足止め
させ、輸出、観光に大打撃を与えた違法デモと報じており、外相としての適性を
疑問視している。
 カシット氏は、黄色の味方で、なんどか空港に応援演説にも行ったらしい。
 そりゃ、まずいわ!
 誰からも、ごめんの誤りの言葉も無く、外国人は憤慨しているというのに、
「美味しかった」は無いでしょ。
 いくら、「マイペンライ」の国でも、今回ばかりは非常識すぎる。
どういう国かと思われているのにねー。
2009.1.16