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在タイ日系中小企業の支援策についての提言


第7回  在タイ日系中小企業 投資ファンド設立案
2012.5.10

 海外進出する日系中小企業に対してファンドを通じて財務支援を行い、日本企業が全世界を席巻し、発展できるよう官民一体のファンドの設立をしたいと考えます。

 なお、このファンドは、在隊の日系企業の支援と共にタイ近隣諸国への投資も視野に入れています。

趣旨
 日本政府からの拠出、同時に投資者より出資を募り、これらを合計して約40億バーツ(100億円)のファンド「基金」として、在タイ日系中小企業に対し、投資を行う。

日本政府の窓口
 日本政策金融銀行(略称 JBIC)

投資者
 (1) 投資家
 (2) 日本政府及び各地方自治体

投資額
 一口  100 万バーツ

投資先
 在タイ日系中小企業とする

投資対象案
 投資案件は、タイ進出予定企業、既存の進出企業の緊急融資(含つなぎ融資)及びタイ近隣諸国への投資

投資限度額
 1件につき1000 万バーツ以内とする

運営主体
 投資ファンドの運営委員会を設立し、運営する。

  賛同される方のご協力をお願いいたします。



第6回  ファンド設立に関して西田さんに聞く
2012.5.3

 大企業は、賃金が安く、材料がそろうところに進出し企業活動を行う。その際、協力してくれる企業が必要で、中小企業があるから大企業が成り立つのです。

 日本では、中小企業は見捨てられています。大企業が面倒を見てくれる会社は、大企業進出の前にその会社が先に進出して、地ならしを行い、その後進出する。中小企業の空洞化が進んできているが、県単位、市町村でおろそかにしてきた結果なのです。大企業は、中小企業の存在を見直してほしい。県、市町村は中小企業をバックアップすべきです。

 例えばインドでは、新しい企業は歓迎しない。既存の会社を(資本も含めて)奨励している。新しい企業が駐在員事務所の申請をしても認めない。
※中小企業に対しては、県、市が進出させ、リターンさせる方法が良いのでは。

 ドイツの場合、各県ごとタイに駐在事務所を開設し、その県から進出してきている企業を支援している。早く中小企業対策を立てないと日本がよくならない。日本中の中小企業の不振のため、税収入が低下してきているのです。

 各県、市町村に中小企業のためにファンドを設立を呼びかけたらどうか?

注:西田さんは在タイ 40 年で、日本企業進出をつぶさに見てきた人です。



第5回  ファンド設立に関してJBIC(花岡主席)に聞く
2012.4.26

 JBICの出資の方針として、@呼び水になるようなプロジェクト A日本の会社が海外進出に際し出資 B日本企業がファンドを設立する際にマイノリティーの出資比率で出資、が基本です。

 ファンドの出資に際しては、目的が @資源の確保 A環境問題などで出資国、出資企業を見極めて判断している。このファンドは、最後までとどまらず、途中で抜けることを想定している。

(提言所についてのコメント)
  ファンドは、どんな形であれ、リターンを求めている人がおり、それに応えられないようではファンドにならない。緊急融資は、繋ぎ融資であり、ファンドの趣旨と合い入れない。ファンドなのか、融資なのか、整理が必要。

(日本企業の融資について)
 既存のツーステップローンがすでにあり、機能している。使い勝手が良くないものの、これで十分というもの。カシコンバンクとの、この制度ではすでに枠がいっぱいになっていて、今後の課題になっている。

 タイの中小企業融資として、SME銀行があり、一応タイ資本マジョリティーすなわち51%以上が対象である。タイ資本100%が優先されており、日系企業は不利になっている。

(成長企業に融資することについて)
 タイでの企業で成長企業とは具体的にどのような企業なのか見極めが難しい。(融資について)融資については、金融業として法的に問題になるか、検討を要する。しからば、協同組合のような形はどうなのかも検討を要する。

JIBCはドル又は円でしか貸すことができず、バーツは使えない。そうなると為替の問題が生じてしまう。考えられる形として「募金」を募って「基金」の形を取り、「後輩企業を育てる」目的にしたらどうか? いわゆる社会貢献として寄付を受ける形で。

 結論として、日本に本社がある会社は従来のスキームで、日本に何らかの接点のない企業はJBICとして手を差し伸べられない。



第4回  在タイ日系企業を取り巻く現状とファンドの必要性
【メルマガ166号掲載】  2012.4.19

  タイに限らず、企業が海外進出した場合、異国でのビジネスであるため、言語、スタッフマネージメント、当地の法律など、日本国内と異なる問題が発生します。とくに体力の弱い中小企業は、日本本社からの支援が十分でなく海外の企業活動に支障をきたしています。

 その中でも、財務関係は、最重要項目です。現在も諸融資制度はあるものの、十分ではなく、一層の充実、強化が求められています。

  中小企業をバックアップするためにファンドの設立が必要であると考えます。現状の融資制度では以下のような問題を抱えており、中小企業の成長を妨げています。

(1)従来の融資制度は、適用外の日系企業が支援されていない。

(2)従来の融資制度は、日本との連絡及び審査に時間が掛かり、迅速な対応に欠けています。

(3)既存の融資は担保第一のため、担保能力不足の企業向けになっておらず、成長企業の支援に役立っていません。



第3回  タイにおけるインフラ的産業の育成にかかる金融支援の必要性  (竹本先生より)
2012.4.12

 福井大学産学官連携本部 准教授かつ京都大学経営研究センター 特命講師である竹本 拓治先生にご意見をいただきました。

 在タイ中小企業全体に対するファイナンス面から支援スキームづくりが、日本の国策として早急的な課題である。

[在タイ日系企業等におけるファイナンスの現状]
 日本で大企業に分類される親会社をもつ在タイ日系企業はいわゆる親子ローンによるファイナンススキームで事業活動を行っているものの、在タイ日系中小・ベンチャー企業においては担保力、信用力不足等の理由で同スキームの構築が難しい。

 在タイ日系中小・ベンチャー企業の主な要望は、「大企業だけでなく中小企業への助成金制度、資金調達補助(低利融資)」「中小企業投資育成制度(政府機関の投資参加)」「無担保の融資・運転資金融資」等である。これらは日本国内の中小企業金融政策では既に実行されているが、現地では享受できていないのが実態である。

[在タイ日系中小企業等をなぜ支援する必要があるのか]
  インラック政権では、特に労働者の最低賃金の底上げを政策として掲げている。今後のタイ経済は内需の上昇が見込まれ、それに伴う消費市場としての魅力が増し、販売市場としての日系大企業、および在タイ日系中小企業等の新たな進出が見込まれる。

 また日本の中小企業には、世界市場において高いシェアを誇る企業も数多く存在する。それらの中小企業においては海外移転がリスクヘッジとしての意味をもつ。昨年の東日本大震災にみられるよう
に、日本の高い技術が一か所に集中することは、そこに何かのトラブルが発生した場合、その技術に関連する製品すべての生産がストップしたことは記憶に新しい。これはバンコク北部の
ナワナコン工業団地における洪水被害例においても同様のことがいえる。

 タイが近隣の東南アジア諸国を含んで、従来の生産拠点としてだけでなく、消費(販売)市場の拠点、生産拠点移転のリスクヘッジとしても重要性が高まる中、日本ブランドのタイにおけるマーケティング支援や生産拠点の移転支援は、日本政府として行うべき一つの施策といえる。
日系の大企業から中小企業等までのタイへの進出、日本製品、日本ブランドを広めるための基礎的要件として、在タイ日系中小企業等の役割を見落とすことはできない。

 タイは生産拠点として見た場合、近隣諸国に比べ人件費が決して低くはなく、また長期的な販売拠点として見た場合も、少子高齢化の進み具合が早い。それでも、タイが日本企業にとって移転先、進出先として選ばれる理由は、地理的条件や現在の市場の大きさに加え、広い意味でのインフラ整備、日本企業にとっての活動のしやすさにある。
在タイ日本人による中小・零細企業において、日本人駐在者の生活支援ビジネスを営む会社が比較的多く、そのようなインフラ的役割を広く担っている日系中小企業等が活動できる基盤作りとして、ファイナンス面における日本政府による支援は高い価値を持つといえる。

[支援スキームのあり方]
 在タイ日系中小企業等を支援するスキームとして、日本で活動する中小零細企業と同程度の支援が望まれる。具体的には、「日本企業の進出支援を支えるインフラ的役割をもつ企業」「日本ブランドを広める企業」の認定制度を確立し、その認定を受けた企業に対し投融資を行うといったものである。このイメージは日本における中小企業新事業活動促進法に近い。



第2回  海外戦略としての日系中小企業対策
2012.4.5

 日本では、経済成長がなくなっており、拠点をアジア諸国に移して、経済成長を目指す方針になってきています。 なぜなら、日本では東北大震災後、エネルギー不足により、工場設立が難しくなってきているからです。

 日本にある企業は、中小企業、大企業も含め、海外にシフトせざるを得なくなっており、この傾向はますます強まってきています。

 海外戦略を考えた時、大企業のみならず、中小企業、さらには現地法人も含めた、総力戦と位置づけないと外国との闘いに勝てません。
例えば、インドに日本企業が進出しても、子会社及び、現地にある日系の協力会社が必要になっています。この産業集積があって、全体として力が発揮できるのです。



第1回  在タイ日系中小企業の支援策−金融基金の設立を
【メルマガ146号掲載】 2010.8.17

 今回から数回にわたり、表題についてコラムを書くことにしました。

 私は会社経営を25年間行ってきましたが、いつも悩まされてきたのが、キャッシュフローです。
よって、この問題について突き詰めると、金融基金の設立に辿り着くようです。

 今後とも、タイにてビジネスを進めていきますが、経営者として切願する「融資」について、みなさんと共に考えていきたいと思います。