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■本の紹介(8)
「赤い夕陽の満州野が原に」
光人社NF文庫発行
定価1,000円
相良俊輔 著
1996年1月発行
日本が中国・満州へ侵略していく中で起きた、「張作霖事件」について、この事件を実行した河本大作を描いた作品。 高校の世界史の中で、必ずこの事件が取り上げられている。
この事件を契機にリットン調査団が現地調査し、日本が国際連盟から脱退し、ひたすらに戦争の道を進むことになる事件だ。
作品は、河本大作が所属していた部隊を中心に、彼の生い立ち、満州勤務などが詳しく書かれており、読む人を、その時代に案内してくれるようだ。特に爆殺の様子は生々しく描かれている。
河本元大佐は、この事件後、満鉄の理事に就任しているが、同氏を決して評価することなく、歴史上の事件として反省し、再び戦争がおこらないよう、反戦の志を強くもちたいものだ。
なお、張作霖の息子張学良は、毛沢東と蒋介石を統一戦線を組ませ、中国統一の実現に役立った人として有名。このことについては別に紹介したい。