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■本の紹介(14)
「後藤田正晴」
文春文庫
定価 530円
保坂正康 著
1998年発行
後藤田正晴という人の名前が本の名前になった。つまり固有名詞となった訳で、いかに彼が有名であるか察せられよう。
彼は、日本の中枢の官僚である内務省の役人として人生の多くを過してきたが、それに留まることなく、
60
歳を過ぎてから国会議員として活躍した。中曽根内閣の官房長官として、役人に睨みをきかせ「カミソリの後藤田」という別称でその存在感を高めた。
この人の優れた点は、その後従来のタカ派からハト派と呼ばれるような考えをつらぬいたことで「憲法を守れ、海外派兵はするな」というスローガンを実行してきた人なのです。
このような政治家は、
100
年に一人位しか輩出しないのではないでしょうか?どんなに政治家の名前を出したところで彼の実績にはかなわない、と思うのは私一人だけでしょうか?
この本の著者、保阪正康氏は、すでに紹介した本「瀬島龍三」と同じ人で、彼は、他の作家と異なり、自ら取材し書いているので、その時の臨場感がにじみ出ており、読者をその場面にひきこんでくれる。