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  ■本の紹介(13)

「指揮官たちの特攻」
新潮社刊

定価 1400円  
 
城山三郎 著

2001年8月発行

 


 
ある雑誌に、この本を読んだという人がいたので、私もこの本を読んでみたくなりチャレンジした。 題名からも想像できるように、戦争中、爆弾を積んで敵艦に体あたりする特別攻撃隊がテーマであり、若く して南の海に散った隊員の姿を描いている。

 この作品は表紙カバーに「戦争を書くのはつらい。書き残さないのは、もっと、つらいー」とあり、著者のこの本に対する気持ちを表している。同時に著者は、この頃、17,8歳であり、ほぼ、同じ世代の人が無駄に散っていくことに耐えられない心情を綴っている。

 その行動を称して「幸福は花びらのごとく」と表現している。著者の生まれ育ってきた時代世相が加わっており、一部ノンフイクション化している。戦争の酷さ、反戦を訴える城山三郎氏の全思想の表明と受け止めることができよう。
すでに、この欄で紹介した「落日燃える」も同じ著者の作品。