7.子供の口臭



 保健センターで母子の歯科指導をしている歯科衛生士が、「1.6歳児健診、3歳児健診で口臭が気になるとの質問が多く特に男の 子に多いような気がするのですが、口の中を見ても特に問題は無いのです。何が原因なのでしょう。それに対する指導はなにかある のでしょうか?」という質問されているHPを見ました。出所は、大阪で口臭に熱心に取り組んでおられる本田歯科医院のHPです。

 非常におもしろくためになりました。一度閲覧されることをお勧めします。前にお勧めした西原先生と同じぐらいお勧めです。

 口臭の原因はたくさんあります。口臭に対する医学の取り組みもまだ始まったばかりで、手探り状態で治療に取り組んでいるのが現状です。そこで指摘されている原因の中で"口呼吸"があります。バンコクでお子さんの歯科治療や検診をしていて、歯医者のミラーがよく曇りました。これは患者さんが口で呼吸していることを示します。そこで「バンコクでは口で呼吸する子供が多いなぁー。」という印象を持っていました。そのときは単に「口呼吸が多い」と思っただけでしたが、西原先生の本(図書館にあります。)で口呼吸がアトピーや花粉症などのアレルギーに関係するものだと知り、口呼吸の問題を指摘させていただきました。

 しかし、本田先生の指摘によれば"口臭"の大きな原因でもあるとされています。そこであらためて、もう一度危険性を訴えたいと思います。口呼吸対策は前にお書きしましたので繰り返しません。口で息をすれば、口の中が乾燥します。口腔内乾燥です。唾液はPHを中性に保とうとするし、その免疫力で虫歯や歯周病と戦ってくれます。口の中の自浄作用も悪くなります。 ここでpH(酸性とかアルカリのこと)のことについてお話すると、食事したり、間食するたびにpHが低くなるのですが、それが元に戻るためには、少し時間がかかります。

 食事後、歯を磨くのはいいこととされていましたが、唾液の少ない人が食後歯磨きやうがいをすると、ただでさえ唾液が少ないのに、食後豊富にあった唾液を洗い流してしまい、口腔乾燥を起こします。虫歯予防のための歯磨きがかえって虫歯や口臭を作りやすい状態を招くことになると警告されています。食後すぐの歯磨きは虫歯予防の最大の方策のはずですが、反面、せっかくの唾液が失われるという盲点があるというのです。歯磨きが終わったあと、安心してしまわないで、唾液をだす何かが必要になります。

 本田先生は@36回カチカチと噛み合わせ、A舌を右に12回グルグルと回す、B左に12回回すよう指導されています。確かにこの運動をすると唾液がグッとでてきます。唾液の多い人にも少ない人にもお勧めです。と言うか、歯磨きの最終段階は唾液分泌で終わらせるべきです。このことを子供たちにもしてもらって習慣にできれば、以降の虫歯、歯周病、口臭予防、アトピーなどのアレルギー問題の予防になるはずです。ぜひこの習慣をつけさせてあげてください。

 口臭が原因で、学校での"いじめ"に悩まれている方も大勢いらっしゃるようです。また自閉や"鬱"の問題もかなり言われているようです。口呼吸や唾液分泌(口腔内乾燥)を子育ての重要項目に入れていただいて、人前で大きな口を開けて、キレイな歯と見せて、健康的な印象を人に与えて、たくさんの人と交流が持てるようになってもらえればどんなにいいことでしょう。明るい日本が見えてきませんか?